債務控除できない相続財産

相続税の計算において、債務控除の対象になる財産は、「相続又は遺贈により取得した財産」です(相続税法13条1項2項)。つまり、相続開始前3年以内に受けた贈与財産は、これから外れます(相続税基本通達19-5)。これが問題になるのは、相続財産や遺贈財産のみでは債務控除できないケースです。例えば、相続財産が2億円あって、そのローン債務も3億円あるという場合、1億円は控除できないことになります。仮に課税価格に加算される3年内贈与財産が1億円あっても、その価格からは控除できないことになりますので、この影響は大きいと思われます。これは暦年贈与も同じであります。生前に贈与を行う場合には、相続時精算課税制度を利用しておいた方がよろしいと思います(この制度により贈与された財産は債務控除の対象になります。)。