相続税では債務超過は考慮されない

先ほど、相続税においては債務超過は考慮されないため、遺産分割方法にはご注意くださいということをお話ししました。これは、土地などの不動産だけではなく、株式についても問題になります。つまり、株式の場合には、その会社の株式のすべてを保有していることがあり(同族会社の場合)、その場合実質会社の財産と個人財産は一体化しております。にもかかわらず、仮にその会社が債務超過であるとすると、その個人が死亡した場合、相続税の評価においては債務超過は考慮されず、0円の評価となります(マイナスの評価はありません。)。これを相続するとなった場合、実際には債務超過でありますから、その超過分はその相続人が負担することになります。

マイナスの評価はないということは、その分だけ価値を過大に評価されていることになります。よってこれを回避するべく、同族会社の場合は、生前に債務超過を解消しておくか、相続が開始してしまった場合は、相続人が保証人の立場で弁済し相続税の申告で債務控除するなど対処する必要があります。