地方税法388条1項に基づいて定められた固定資産評価基準では、「建築様式が著しく旧式となっている非木造家屋,所在地域の状況によりその価額が減少すると認められる非木造家屋等」について、「その減少する価額の範囲において」需給事情による減点補正を行うものとされています。どのような場合に需給事情による減点補正を行うべきかについて、固定資産評価基準は上記の例示以上には明らかにしていませえんが、実務上は、昭和42年10月21日改正の固定資産評価基準の取扱いについての依命通達(平成12年基準年度に廃止された。)や、総務省自治税務局資産評価室長が平成26年3月26日付けで発した「事業の用に供する家屋のうちクラブハウス等に対する需給事情による減点補正の適用について」と題する通知などを参考に判断されています。
そして、①評価対象の建物に適用される評価基準の定める評価方法が適正な時価を算定する方法として一般的な合理性を有するものであり、かつ、②当該建物の基準年度に係る賦課期日における登録価格がその評価方法に従って決定された価格を上回るものでない場合には、その登録価格は、その評価方法によっては適正な時価を適切に算定することのできない特別の事情の存しない限り、同期日における当該建物の客観的な交換価値としての適正な時価を上回るものではないと推認するのが相当であるとされています(最判平成25年7月12日民集67巻6号1255頁)。