米国不動産の購入によって節税を図るというスキームは、広く浸透しているものと思われます。このスキームの良し悪しは別として、この方法がなぜ節税になるのか説明します。結論として言えば、これは減価償却費を利用したスキームといえます。米国不動産は不動産価格に占める建物の割合が高く、減価償却を多く計上できます。さらにその期間も短いです(耐用年数経過の建物は耐用年数の20%で償却します。よって木造の場合耐用年数は22年ですので、耐用年数経過の中古木造建物の耐用年数は4年になります。)。さらに、この多額の減価償却費が不動産所得上マイナスとなれば、その他の給与所得で相殺することができます。結果として所得税(不動産所得や給与所得は総合課税)をかなりの程度軽減することができます。不動産売却時でも、保有期間5年以降に売却すれば、20%の分離課税で済みますので、結果として、総合課税と分離課税の税率差の分節税になります。仮に総合課税の税負担率が50%であれば、この減価償却によって、物件価格×50%の税金還付となり、売却時の20%の税金納付との差額分、節税になるというスキームです。