固定資産税も誤ることがある

固定資産評価基準に従って決定した土地の価格は、評価基準の定める評価の方法によっては当該土地を適切に評価することができないとか、評価基準に定める補正を超える減価を要するなどの特別の事情の存しない限り、適正な時価と推認されることになります。

この「特別の事情」が裁判で認定されることは稀であります。

これにつき、宅地について、市街地宅地評価法ではなく「その他の宅地評価法」を採用したことは適法であるが、当該宅地と標準宅地との間の形状の明らかな差異につき、比準割合を1.00から減じなかったことの違法、及び標準宅地に比較して3メートルの段差が存在し農道により土地が分断されているという宅地の効用を阻害する要因で客観的交換価値に影響を与える事情を考慮しなかった点に裁量の範囲を逸脱した違法があるとして、固定資産評価審査委員会の審査決定の全部が取り消された事例があります(甲府地判平成24年3月13日)。