個人間の低額譲渡と取得価額

個人間(例えば親族間)で低額譲渡(時価の2分の1未満の対価で譲渡)がなされることはよくある。この場合、取得価額はどのように考えればよいであろうか。譲渡の対価とするのが自然ともいえそうである。しかし、低額譲渡の規律を見てみると、まず、個人に時価の2分の1未満の対価で譲渡した場合の譲渡損失については、その損失はなかったものとみなされる(所得税法59条2項、所得税法施行令169条)。そして当該資産を譲り受けた者が引き続き所有していたものとみなされる(所得税法60条1項2号)。これらから、低額譲渡の場合の取得価額は、その資産を譲渡した者の取得価額相当額とということになる。