「使用貸借に係る土地についての相続税及び贈与税の取扱いについて」(以下使用借権通達)には、経過措置があります。
この使用貸借通達の経過措置は、建物の所有目的で他人の土地を無償で借り受けた際に権利金相当額の利益を受けたとして贈与税課税が行われた土地については、以後、貸宅地として評価されるべきであるところ、使用貸借通達の制定により従前の取扱いが変更され、自用地評価されることとなったことから生じる二重課税を回避するために、かかる場合には自用地評価をしないこととする取扱いであります。
したがって、納税者が遺産分割等により建物をその敷地の使用借権とともに取得し、その後敷地の所有権を取得した場合には、相続時に借地権相当額に対する相続税課税がなされておらず、二重課税の問題が生じることはない場合、その後敷地の取得は当該経過措置的配慮を要する場合には当たらないことになります(東京地判平成18年12月5日)。